12月になりました。残り1か月で令和4年も終了します。
さて、今月のテーマは1点です。
それは、損益分岐点売上高と収支分岐点売上高です。
借入元本を返済するために必要な利益は?
借入金を返済する原資は、利益からとなります。
資金が不足していた場合は、さらに借入をしてから返済することもあります。
またはリスケジュールを行い、利息のみの返済にしてもらうこともあります。
借入金を分けるとしたら
決算書では
1年以内の返済をする場合は、流動負債で短期借入金
1年を超えて返済する場合は、固定負債で長期借入金
運転資金のための借入金と設備投資のための借入金があります。
借入金の目的
運転資金、一時的な資金アウトのための借入
設備投資のための借入
コロナ融資での借入の利子の返済が始まります
コロナ融資で3年間返済猶予してもらったところが、早いところで2023年3月から始まります。
2020年3月にスタートした実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」
特別利子補給制度による利子免除は3年。3年経過すると利子の返済が始まります。
日本政策金融公庫の場合は、3年間の利子負担分の還付がありました。
日本政策金融公庫以外の借入は、支払利子がゼロになっています。
現在も新型コロナウイルス感染症特別貸付は行っています。
実質的な無利子化融資は、令和4年9月30日までの申込で終了しています。
余談 1日あたりで亡くなる方は約3,760人です
コロナで亡くなる方が今日は何人でした、感染者数は何人でしたというニュースを毎日見ます。
ちなみに11月30日の発表でコロナで亡くなった方は210人でした。
(NHKの特設サイトより)
ただ1年間に亡くなる方は、令和2年分 1,372,755人です。
(国税庁のHPで令和2年分における相続税の申告実績の概要より)
1日あたり、約3,760人です。そのうちの9割は65歳以上の方です。
年度 | 死亡者数(国税庁の相続税の申告実績より) |
令和4年分 | 1,569,050人 |
令和3年分 | 1,439,856人 |
令和2年分 | 1,372,755人 |
これから毎年この人数は増えていくと思います。人口ピラミッドからの予測
自殺者は年間21,007人
一時期は3万人を超えていた時期もありますが、これでもだいぶ減っています。
10代の自殺もニュースでとりあげられていますが、本当は40歳から60歳の自殺が一番多いです。
令和3年中における自殺の状況
税理士法人マークスでは人生100年時代で相続や事前対策にも力を入れています。
収支分岐点売上を考えてみましょう。
税理士法人マークスが目指しているところに「関与先の黒字化」があります。
黒字化のために、月次決算をお勧めします。あと年間予算案も必要となります。
そこで利益が出るようにする一つの指標が、損益分岐点売上高があります。
利益がゼロになるような売上高がいくらであるかを計算します。
変動損益計算書を使って計算します。
①固定費を支払えるぐらいの利益(限界利益)はいくらか。
②その利益(限界利益)を出すためにはいくらの売上高が必要か。
限界利益率は、粗利益と同じです。
計算式は 固定費=限界利益
限界利益=売上高×限界利益率 です。
固定費=売上高×限界利益率
売上高=固定費/限界利益率
このように考えています。記憶するよりも計算式で覚えています。
これは、あくまでも利益計算で使う資料です。
法人税等の納税額は無視しています。
一方、資金収支分岐点売上高は、収入と支出が均衡する売上高です。
固定費-減価償却費+保険積立金+1年間の借入金返済額+法人税額等=限界利益
限界利益=売上高×限界利益率
固定費-減価償却費+保険積立金+1年間の借入金返済額+法人税額等=売上高×限界利益率
売上高=(固定費ー限界償却費+保険積立金+1年間の借入金返済額+法人税額等)/限界利益率
固定費に収支費用を何を入れるかによって決まります。
納税資金も加味するか。借入金のみだけ考えればいいという考え方もあり、ひとつの参考値です。
(もし、詳細のことは担当者にお聞きください。)
この収支分岐点売上高を目標売上として予算を作成することをお勧めします。
TKCの継続MASシステムで簡単に予算案を作成することが出来ます。
- 借入金の年間返済額を返済できる資金を作ることです。
- この返済額を返すには、どのくらいの利益が必要か。
目標利益を達成するために、粗利益額の増大やコスト見直しが重要となってきます。
設備投資や経営改善・経営革新にかかる費用、資産の売却・除却等を踏まえた設備投資計画を策定できます。
難しい式も細分化して問題点を発見することが出来ます。
上記では、「限界利益率」と「固定費」の話が出てきます。
限界利益率のアップのためには
売上単価のアップ | 売価の値上げ |
値引きの減少 | |
変動比率のダウン | 仕入単価/外注単価、仕入先の見直し |
材料使用量の削減 | |
外注の見直し(内製化) | |
不良品、ロスの削減 | |
販売ミックスの改善 | 限界利益率の高い商品へのシフト |
固定費ダウンのためには
不良資産の売却 | 償却資産税の減少、維持費の減少 |
交通費、交際費、広告費の見直し | |
予算比・前年比で上回っている経費の削減 | |
人件費の見直し | 外注費、無駄な会議の見直し、機械化、経理のクラウド化 |
マネジメントの徹底を行い効率化 |
一方、逆の発想もあります。(攻めに行く考え方。)
多角経営を行っていく。
商品の原価率を上げて、薄利多売を行う。(限界利益率アップではなく、売上高の増加を考える。)
余剰の場所や資源を利用して新たな事業を行う。人に貸付を行う。
全国展開をするために、広告費に力を入れる。知名度を高める。
ネット販売に力を入れる。
支店の増設(固定費もかかってきます。)
私は、大学は経済学部の経営学科で、管理会計を勉強していたので、さわりの部分を思い出します。
効用最大化、限界代替率です。
内製化か外注化にするか。
社会人になってから、もう一度勉強しなおすのも良いかもしれませんね。
ものごとを細分化して改善していくしかないです。
この場合は、どうなるかをシミュレーションして取捨選択していくしかないです。
1年後や1か月の目標売上と利益を考えることが重要です。
そのために当事務所は月次損益計算書を重要視しています。
仕訳入力はお客さんが行い、その仕訳が正しいかを検討します。
税理士法人マークスでは、財務会計は当然のこと、管理会計にも力を入れています。そのツールがFXクラウドだと思っています。
お勧めの本 マネジメント
マネジメントは「もしドラ」を読んで購入しましたが、未だに本棚にきれいに置いてあります。
企業の第一目的は何か?企業の目的の定義は、「顧客の創造すること」です。これを考えていくしかないです。
もう一つは、「ライフシフト2」です。もう一度勉強しなおすこともここには書かれています。人生100年時代。