事務所通信 補足説明

事務所通信 2023年4月号 補足説明

2023年4月8日

4月になりました。
確定申告が終わり今は遅れていた法人の監査を行っています。

今回は、ニュースから私が気になる2点
「仕入税額控除」と「経営者の個人保証の仕組み」

2023年4月号 事務所通信要約版

 

令和5年度の3月28日に税制改正が国会で通過しました。

インボイス制度の負担軽減措置が決まりました。

〇小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)

〇一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置(少額特例)

〇少額な返還インボイスの交換義務免除

〇登録制度の見直しと手続きの柔軟化

令和5年4月から経営者の個人保証の仕組みが変わります。

 

今回はインボイス制度についての話

クレジットカード会社の請求明細書はインボイスとして利用できない。

理由として、カード会社から一定期間ごとに請求明細書等を交付していますが、この請求明細書等は、そのカード利用者である事業者に対して課税資産等の譲渡等を
行った他の事業者が作成・交付した書類でないため、消費税法第30条9項に規定する請求書等には該当しません。
いまでも、請求書等には該当しません。3万円未満の金額については、帳簿等の記載で対応していました。
無意識のうちに、3万円以上のものは領収書の確認をするようになったわけです。

消費税法第30条9項

請求書等とは、次に掲げる書類をいう。 (条文の中のかっこ書きを外しました。)

一 事業者に対し課税資産の譲渡等を行う他の事業者が、当該課税資産の譲渡等につき当該事業者に交付する請求書、納品書その他これらに類する書類で次に掲げる事項が記載されているもの〔令49④〕

イ 書類の作成者の氏名又は名称
ロ 課税資産の譲渡等を行つた年月日(課税期間の範囲内で一定の期間内に行つた課税資産の譲渡等につきまとめて当該書類を作成する場合には、当該一定の期間)
ハ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
ニ 課税資産の譲渡等の対価の額(当該課税資産の譲渡等に係る消費税額及び地方消費税額に相当する額がある場合には、当該相当する額を含む。)
ホ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称

 

インボイス制度開始後は、クレジットカード利用時に店舗等が発行する「ご利用明細」等が必要です。

このご利用明細書には

  • その書類の作成者の氏名又は名称
  • 課税資産の譲渡等を行った年月日
  • 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
  • 税率の異なるごとに区分して合計した課税資産の譲渡等の対価の額
  • その書類の交付を受ける者の氏名又は名称

これからは、しっかり保存する必要があります。

ETCの利用についていは、WEB上の「ETC利用照会サービス」において簡易インボイスが電子データにて交付される予定です。

 

一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置(少額特例)

インボイス制度開始後に、一部の取引を除いて3万円未満の取引についてもインボイスの保存が必要となります。
しかし、中小企業の事務負担に配慮して、一定規模以下の事業者については、1万円未満の課税仕入れであれば、インボイスの保存がなくても帳簿のみの保存で
仕入税額控除が認められることになります。

一定規模以下とは

この辺の話は前回の研修の復習です。

中小企業の1万円未満の課税仕入れであれば、インボイスの保存がなくても帳簿のみの保存で、全額仕入税額控除が認められることになっています。

 

この制度は、インボイス制度開始から6年間

令和5年10月1日~令和11年9月30日まで

令和11年10月1日以後に行う課税仕入れについては、少額特例の適用がありません。

少額特例は税込みで1万円未満かどうかを判断します

また1回の取引での合計で判断しますので、たとえば6,000円の商品と7,000円の商品を購入した場合は、13,000円となり、少額特例が使えません。
月額での請求書の場合、月額の金額で判断されます。

例えば、1か月分を合計した請求書が10万円の場合
1回ごとの請求金額が1万円未満であった場合でも、月単位での取引で判断されます。
よって、少額特例が使えません。

 

 

これからインボイス制度がはじまるとインボイス事業者は「インボイスであることを分かるマーク」を付けるかと思っています。差別化してくると思っています。
(個人的な見解です。)

 

基準期間の課税売上高が1億円以下の事業者が対象です。
ほとんどの個人事業はこれに該当します。

qa_futankeigen.pdf (mof.go.jp)

消費税のインボイス制度・軽減税率制度に関する資料

 

経営者の個人保証の仕組みが変わります。

経営者保証改革プログラムが策定されました。
金融機関に対して「経営者保証ガイドライン」を周知・徹底ささることで、経営者の個人保証に依存しない融資慣行の確立です。

このガイドラインにより、金融機関には安易な経営者の個人保証に依存しない融資慣行を図ろうとしています。
逆に、金融機関が経営者保証を求める場合には
「どの部分が十分でないため保証契約が必要となるのか」
「どのような改善を図れば保証契約の変更・解除の可能性が高まるか」
これらを経営者にせて梅井下上で、結果を記録することが求められます。

今現在、「個人保証」に依存しないものは、全体の約3割です。

 

経営者が個人保証なしに融資を受けるためには

① 法人と経営者との関係の明確な区分・分離
② 財務基盤の強化
③ 財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性の確保

税理士法人マークスが出来ることは
①に関しては、書面添付と個人的支出を経費に落さないことや公私混同をしないように指導していく。
②に関しては、経営改善計画の支援
③に関しては、TKCモニタリング情報サービスによる決算書・試算表を金融機関へ提出

今年の4月からこのような制度がはじまりました。意識していきたいと思います。

 

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