DX(デジタルトランスフォーメーション) 2022年1月号
新年あけましておめでとうございます。皆様方におかれましては、新春を晴々しい気持ちでお迎えのこととお慶び申し上げます。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け早2年、私たちの企業活動はテレワークの導入や時差出勤、オンライン会議システムの利用、非接触型の営業等の対応を迫られたことにより、これまで必要とは言われながらそれほど浸透していなかった事柄が急速に普及し、社会基盤が大きく変化していることを痛感する日々を過ごされている方も多いことと思います。
このように環境が大きく変化する要因の1つとして最近注目されているのがDX(デジタルトランスフォーメーション)という分野だと思います。
DXって何?
とは言え、「DXって何?」「単にアナログ的なことをデジタル化させる事?」と思われた方も多いと思います。私もその一人でした。しかし、調べてみるとそのような安易な事ではないと知り、今回はDXについて少しご紹介したいと思います。
DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉は、2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した概念で、その意味は「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」というものだそうです。
この概念を日本向けに分かりやすく定義されたのは、経済産業省が2018年12月に発表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」です。これによると、
DXは、
- デジタル技術をつかって
- つながり方を変えて
- 本当にやりたかったことをやる
「経営戦略とデジタル戦略は一体」=「ユーザー視点で新しい価値を提供」するものと明記されています。すなわち、DXとは単にアナログをデジタル化することではなく、デジタル化によって「本当にやりたいことは何か?」を追求し企業における従来の文化を変革していくことが、DXの本質的な課題として定義されました。
税制面から見た場合
税制面では、令和3年度税制改正にて「DX投促進税制」が創設され、当該制度は、全社規模でデジタル技術を活用した企業変革に取組む企業を、優遇するための措置であり、本制度を活用するには、単体の部門だけではなく、経営層をも巻き込む必要があり、全社規模でのDX推進が必須となる事のようです。また、恩恵を受けるには、デジタル要件(D要件)、企業変革要件(X要件)を満たした事業適応計画を提出して認定を受ける必要があり、計画が認定された後、令和5年3月31日までに事業の用に供した適格投資に対して3%、グループ外の他法人ともデータ連携する場合は5%の税額控除、もしくは30%の特別償却を受けることができることとなります。
新型コロナウイルスの影響は、まだまだ続くことと考えます。それと共に、社会環境も大きく変化することでしょう。その中でDXの分野は、ますます進化すると思います。今すぐには無理でも、自社で取り組める事がないか少し考えてみては如何でしょうか。
長谷川 晋也