所内研修

所内研修 令和4年11月分 年末調整について

2022年11月22日

月1回、全体会議の中で所内研修を行っています。
11月の内容は、TKCシステムのPXまいポータルと年末調整です。

ちょうど11月下旬から年末調整の時期になるため、それに合わせた提案です。

 

令和4年に関係ある税制改正への対応

研修のすべてを記載することが出来ません。今回は住宅ローン税額控除等の改正のみです。

年末調整は、お客さんのところで行うか。給与データをもらって事務所で行うかです。
まずは、税制以外の改正点で大きく変わったなぁと思ったところの2点です。

システムの主な変更点

  • 給与計算ソフトの画面のデザインの変更
  • 年調結果前年比較機能の改訂

この年調結果前年比較機能は、みなさんの年末調整の計算や差異の問い合わせに対応できうるシステムだと思っています。

今回は住宅ローン税額控除等を見ていきます。

住宅借入金等特別控除で区分に応じて控除証明書の表示の変更

年末調整の源泉徴収票に記載する事項が変わりました

特定取得 特定 (特)
特別特定取得・特例取得・特別特例取得 特別特定 (特特)
特例特別特例取得 特例特別特例 (特特特)

 

控除率と控除期間の変更

以前は、住宅ローン控除の控除率が1%ですが、実際の金利が1%を下回っていることで、適用期間終了まで繰上返済をしない動機づけになったりしていました。
そこで 1%→0.7%に引き下げるとともに、新築住宅等については、控除期間を10年から13年に上乗せしています。

 

所得制限の変更

住宅ローンを組む必要がない高所得者による借入や控除の適用が起こりにくい制度への見直しで、適用対象者の所得要件を合計所得金額を2,000万円以下に引下げ
(改正前 合計所得金額 3,000万円以下)

※令和3年以前に入居して、すでに住宅ローン控除の適用が開始されている場合には、令和4年以降も従前どおり合計所得金額が3,000万円以下である年のみ住宅ローン控除が適用さる。

 

取得した住宅には床面積の範囲があり。

住宅ローン控除を受けるにあたって、建物の床面積の範囲が決められています。特に床面積が超えるかどうかの微妙な建物については登記簿謄本に記載される床面積で判断します。

住宅ローン控除の床面積

床面積は、登記事項証明書等に表示されている床面積で判断します。
マンションの区分所有の場合は、専有部分の床面積で判断されます。

 

詳細まで覚えていないため、チェック機能を使って判定します。

住宅借入金等特別控除の改正や以前からそうですが、所得金額の基準ではじかれた場合にはチェックが入ります。
購入した初年度は、確定申告が必要なため今回のテーマである年末調整とは離れてしまいますが、2期目以降は年末調整で税額控除を行うことが出来ます。
チェックが入った時に、どこがおかしかったのかを考えます。

・居住年度

・所得金額

年末調整ではOKだったけれど、確定申告で不動産所得等加味したら、外れてしまうこともあります。
年末調整は、購入時の確定申告の資料をベースに行っています。

 

令和6年1月1日以後から変わること

2年目以降(年末調整で行う場合

金融機関は、残高証明書を納税者に交付するのではなく、年末残高の情報等を記載した調書を税務署に提出します。

税務署は、この年末残高の情報等が記載された住宅ローン税額控除証明書を、毎年納税者に交付します。
勤務先には税務署から送られてくる住宅ローン税額控除証明書の添付と給与所得者の住宅ローン税額控除申告書を提出します。

イメージとして、残高証明書が、銀行発行から税務署発行に変わったという感じです。

 

マイナンバーカードの普及についての妨げだったのでは

マイナンバーカードの番号を隠すフィルムケースは廃止の方向へ。
マイナンバーが分かっただけでは、悪用されない。調べるにはマイナンバーと暗証番号が必要です。
マイナンバーカードには顔写真があるので不正しにくいとのこと。

そんなニュースが11月中旬に流れまし

当事務所でもマイナンバーのセミナーを開きました。また所内研修もしていました。
その時に感じたのは、かなり厳しめの保管管理でした。できるだけ持ち歩かないようにという厳重管理という印象を持っていました。

実際、私もこのフィルムケースの中に入れています。

隠されている部分は

  • 性別
  • 臓器移植の著名
  • マイナンバー (裏面)

 

身分証明書には名前のほかに、フリガナも欲しいと思います
申告書や申請書に名前は記載できるのですが、複数通りの読み方がある名前やどう読むのか分からない字があります。
資料には名前のみのものが多くてフリガナがふっていないのでフリガナをつけて欲しいですね。

マイナンバーカードを作ることは、人それぞれ考えがあり任意です。
ただ、税、社会保険、災害に関してはマイナンバーを使いますし、提出する義務があります。

個人番号を知られたぐらいでは、悪用されない。
(銀行のキャッシュカードと同じような感じでしょうか。パスワードが流出してしまうと大いに問題あり。)

総務省から出ているパンフレット

 

マイナンバーカードで出来ること

令和4年10月末現在、マイナンバーカードの普及率が50%を超えました。このあたりから80%までは一気に上がっていくと予想しています。
過半数を超えると持っていない方が、少数派になってきます。

スマートフォンの普及率も一気に上がり、90%は超えました。これは3G携帯が使えなくなりスマートフォンに乗り換えたお客さんも原因かと思います。
現在、通知カードは発行されなくなったため、おのずとマイナンバーカードを作成するか。住民票にマイナンバーありの分を所得するかになります。

ポイント

健康保険証との一体化(すでに始まっています。)
運転免許証との一体化(令和6年頃)
住民票の公的な証明書の取得(取得してまだ一度も使ったことがありません。追記 令和5年7月にコンビニで戸籍謄本取得してみました。)

大阪市のHPには、「マイナ受付」ができる医療機関ではマイナンバーカード又は健康保険証があれば限度額適用認定書等の提示が不要です。
大阪府の病院・薬局でこのマイナ受付が出来ているところは、令和4年11月13日現在 5670件です。まだまだ普及段階です。
そのうち大阪住吉区の病院、診療所、歯科、薬局で111件あります。

マイナ受付 大阪府

図書館をよく利用しますので、図書カードもこのマイナンバーカードに一本化してくれるうれしいです。
カードが一本化になると管理が楽になります。

保険証や免許証と一体化になったら携帯せざる得ないと思います。

 

マイナンバー制度が始まった時に通知カードが発行されました。

紛失した場合や引っ越した場合は通知カードは再発行されません。
令和2年5月25日以降は、生まれてくる子や引越しした場合には、個人番号通知書が発行されます。
個人番号通知書は「マイナンバーを証明する書類」や「身分証明書」として利用することはできません。

通知カードや個人番号通知書を紛失した場合には、マイナンバーカードを取得するか、住民票でマイナンバーが記載された住民票を取得するかになります。

 

マイナポイント第2弾は、令和5年2月末までにカードの申請を行った方が対象です

(申請期限が令和4年9月末から令和4年12月末に延長され、さらに令和5年2月末に延長しました)
マイナポイントの申込期限は従来通り令和5年2月末ですので、お早めに。

延長されました。申請期限は令和5年2月末
ポイント授与は、令和5年9月末です

小さい子供がいる場合は、まず通帳を作成しないといけないのでいそがないとなりません。

 

給与所得者の保険料控除申告書の添付書類の電磁的方法による提出(電子提出)

令和4年10月1日以後に年末調整で「給与所得者の保険料控除申告書」に記載すべき事項を電子データで勤務先へ提出する場合

「社会保険料控除」
「小規模企業共済等掛金控除」
についても、電子データによる提出が可能

これより前の令和2年から生命保険料控除、地震保険料控除等に係る控除証明書等については、勤務先へ電子データにより提供できるようになりました。
スタート当初の令和2年は数社の保険会社が対応したのみでした。
令和4年現在ほぼどこの会社も出来るようになっています。

マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧

ふるさと納税の支出額も読み込むことが出来ます。

私も、来年3月行う確定申告では、一度この電子データで取得してみようと思っているところです。

 

PXまいポータルのご紹介

「年末調整」も「給与明細の配布」もPXまいポータルを使えばラクになります。
1回目は、初期の入力作業でしんどいです。(言い切ります。)楽になるのは2回目からです。

・年末調整 申告書の配布や回収はWebで完結します。
・従業員がいつでもどこからでも申告書を提出でき、会社全体の生産性が向上します。

 

 

年末調整でのPXまいポータルのいいところ

1 スマホやPCで申告書を提出できるため、印刷する必要がありません。
2 提出状況を一覧で確認できます。
3 PXまいポータルに関する質問が、TKCのヘルプデスクに直接対応してもらうことができます。

国民年金保険料等の社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除の電子化に関するご注意
令和4年10月から、国民年金保険料等の社会保険料控除や、小規模企業共済等掛金控除に係る控除証明書について、電子データにより提供できることとされました。
しかしながら、PXまいポータル[2022年11月版]では、これら電子データの控除証明書を読み込む機能は搭載していません。
これらの控除を受ける場合は、従来どおり書面の控除証明書を提出する必要があります。

PXまいポータルはすべての機能を使いこなすにあたって、段階的に使うことをお勧めします。
何度も書きますが、マイナンバーの管理→給与明細のWEB化→年末調整の順番が導入しやすいと思います。

そのPXまいポータルに連動しているシステムがPX2です。

戦略給与情報システム(PX2)のいいところ

  1.    残業時間を見える
  2.    有休休暇の取得状況を見える化
  3.    給与水準の他社比較
  4.    労働分配率等の推移を把握
  5.   所得税や個人住民税の電子納税にも対応
  6.   社会保険関連の届出資料も作成

もし、操作方法が分からないことがあったら、問い合わせして聞くことが出来ます。

TKCシステムまいサポートで分からないことを聞くことが出来ます。どんな些細なことでも大丈夫です。
株式会社TKCのヘルプデスクが、お客様からの問い合わせにお答えします。(システムに関しては、担当者よりも詳しいのでぜひご利用を)

クラウドシステムを使っているお客さんは、レンタル料の中に含まれています。
問い合わせは、メールかパソコンからのIP電話での対応となります。当事務所にはマイク付きヘッドホンがあります。
このシステム利用者には無償で配布しています。

 

令和4年11月のバージョンアップでこれはすごいと思ったところ

今期からは、「E 41年調計算結果確認・前年比較」の改訂がありました。
これは本当にチェックするのに役立ちます。

確認で前期と比べて異常値があった場合には経理担当者に聞くことが出来ます。
今年度からは、扶養親族ごとに控除額が確認できます。
去年までは合計額のみだったため、扶養控除や障害者控除で誰の分だか計算して見なければ分からなかったのです。

またドリルダウンして細部までみることが出来ます。
(扶養控除の一覧、生命保険料控除の一覧等)
入力漏れや内容の誤りがないかを効率よく確認できます。

しかも今年度と前年度が並列して表示されます。

よく、お客さんにどうして、こんなに税額が増えたのと聞かれることがあります。

正直そこまで細かく覚えているわけではないので、前年度分のデータが出てくることはうれしい限りです。

また制度の解説までもあります。
それでも疑問がある場合には、ヘルプデスクへのお問い合わせが多い画面には「よくある質問Q&A」があります。

 

年末調整の基礎的な話

提出に必要な書類は3枚

兼用様式1枚

基礎控除申告書 年末調整の対象となるすべての人(給与収入が2,000万円以下の人)
配偶者控除等申告書 生計を一にする配偶者がいて、配偶者控除又は配偶者特別控除を受ける方
所得金額調整控除申告書 給与収入が850万円超で、本人又は同一生計配偶者・扶養親族が特別障害者か、扶養親族が23歳未満の方

通常の様式2枚

扶養控除等申告書 年末調整の対象となるすべての人
保険料控除申告書 生命保険料控除や地震保険料控除などを受ける人

住宅ローン控除の適用がある方

住宅借入金等特別控申告書(適用2年目以降)

 

今回の情報ここまでとなります。

 

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